第58章 初恋の再会
—花宮side—
笠松はあの女を置いてコンビニの方に小走りで向かって行った。
笠松を目で追いながら、ふと1人になったクソ女を見ると呑気に公園にいる猫と戯れている姿が目に入る。
ふと…アイツらの言葉を急に思い出した。
『なぁ…花宮…お前…
聖知ちゃんの事好きなのか?』
『…花宮さぁ〜もしかして図星?』
っ…クソが…
なんで俺がこんなにイライラしねえといけねえんだよっ…
あんな女っ…どうでもいいんだよっ…
玩具同然のクソ女なんか…好きになるわけねえだろっ…
楽しそうに猫と戯れる姿を見るとムカムカするような気分になり、すぐに視線を逸らし、笠松の後を追いかけ死角となる場所でスタンガンを取り出す。
あんな女…関係ねえ…
屈服させてやる
ぶち壊してやる
俺に縋り付くくらい服従させてやる
スタンガンをギリっと握りしめ油断してる笠松に電撃を食らわせた。
倒れてみっともねえ姿の笠松を嘲笑い、クソ女の元に向かおうとしたが俺の足は動かなかった。
「あ?」
「っ…花宮っ…聖知にっ…」
「………うぜえ…」
「…手を出すっ…ぐぁっ…!」
俺の片足を笠松は両手で掴み歩みを止められる。
自力でまともに立てねえくせに、笠松の無駄な行動に再びイラつき、もう一度スタンガンを食らわせ気絶させた。
くだらねえ時間稼ぎなんか無駄なんだよ
お前ら2人は今日で終わりだ
忘れられねえ1日にしてやるよ
気絶した笠松を放置してその場を離れた。