第58章 初恋の再会
––花宮side—
「花宮さぁ〜なんか俺らに隠してない…?」
「うるせえ…俺はテメエらと違って忙しいんだ
どっかいけよ…クソが…」
「コレ…俺の勘なんだけど…もしかしてさぁ…花宮…聖知ちゃん関係だったりする?」
「…………」
クソっ…
やっぱり勘づいてやがった
だが俺は頑なに認めず、嘲笑するように言葉を続けた。
「ハッ…馬鹿が…なんで俺があんなクソ女の事でここまで来ねえといけねえんだよ…デタラメ言ってカマかけてんのじゃねーよ」
「え…いや…だってさ…
ほら…あれ、聖知ちゃんでしょ?」
「っ…!!」
原が指を差した方向に目をやると笠松とあのクソ女がいた。
仲良さげに手を繋いでいる姿が俺の目に映り、あの女が笠松に笑顔を向けると目茶苦茶にしたい衝動に駆られ、どす黒い気分に満たされる。
「……離せよ…」
「ねえ…協力して…」
「帰れ、お前らがいたんじゃ足手纏いだ」
低音の声量でそう呟くと、原はそそくさに肩から手を離した。
案の定、協力を持ちかけてきやがったが即座に断る。
前回のお前らの無能さには殆呆れて何も言えねえよ
どういうわけか知らねえが…突然眠りこけやがって…
原やザキを無視して笠松たちを見失わないようにゆっくりとした歩幅で歩きを進めると今まで黙っていたザキの一言に一瞬思考が止まった。
「なぁ…花宮…お前…
聖知ちゃんの事好きなのか?」