第58章 初恋の再会
「…んっ…」
「…んんっ…ふっ…」
驚いたように小さい声でくぐもった聖知の声が聞こえたのも構わず、腰を抱き寄せ深く口づける。
逃げれねえように後頭部に手を回し、角度を変えながら何度も唇を重ね、唇を離すと聖知の顔は真っ赤に染まっていた。
「っ……」
「………」
聖知は顔を真っ赤にしたまま黙り込み、恥ずかしさからなのか…今度は聖知が俺にそっぽを向いてしまい、部屋の中に気まずさと静寂が訪れる。
やべえ…余計空気悪くなってねえか…
何も言わずしちまったし…
でもよ…内心もっと聖知にキスしたいっていうか…
とにかく…触りたくて触りたくて仕方ねえ…
情欲にも似た感情を抱きながら後ろから聖知に声をかけようとすると、聖知から予想を越える話をされるとは思わなかった。
「幸男さんっ……
幸男さんって…エッチですね…」
「…なっ…!…えっ…!?」
「昨日から…スキンシップが多いなって思ってたので…」
「そっ…そそっ…そんな事っ…ねえだろ!」
聖知の言葉に一瞬頭がフリーズしちまった。
後ろを向いてるせいかどんな顔をしているかもわからねえ。
頭によぎったのは…
がっつきすぎた
嫌がられてる
拒否される
聖知になんて弁解すればいいかわからないままでいると…顔を赤らめた聖知が俺に向き直り嬉しそうに笑いかけているように…俺には見えた。