第58章 初恋の再会
「っ……お…おはようございますっ…」
「まだ朝の6時なんだし、早いから寝てていいわよ?」
「っえ…でも…お手伝いしますっ…」
頭が覚醒してくると聖知は笠松の家に泊まっていることを思い出し慌てて起き上がる。
笠松の母がエプロンをつけている姿を見ると、寝過ぎてしまったことを後悔しているとベッドに再び戻される。
「聖知ちゃん、ゆっくり休まないとダメよ?昨夜は私も恋バナで遅くまで付き合わせちゃったし…美味しい朝食作るからゆっくりしてて?」
「十分ゆっくり休みましたっ…それに今更寝れないですっ…私もお手伝いしますっ…昨日からお世話になりっぱなしで…」
「そんなの気にしなくていいのに……じゃあ、私の頼み1つ聞いてくれる?」
「……?…私にできることなら…」
『この家にいる間だけでもゆっくり休んでほしい』そういった気持ちから聖知を宥めようとしても頑固に折れようとしないのを見て、笠松の母はある事を思いつき聖知に耳元で提案する。
「……それなら別にいいですけど」
「ほんと?私ね、ずっと触りたいって思ってたの。可愛くしてあげるから約束よっ!」
「は…はい。」
「じゃあ、聖知ちゃん、一緒に朝ごはん作りましょう?うふふっ…予行練習その2ね♡」
笠松の母からの提案にすんなり了承すると目を輝かせて喜んでいる。
嬉しそうにスキップしながら部屋を出ると聖知もナイトドレスのまま身支度を整え部屋から出てリビングへと向かう。