第55章 証し

–––笠松家



「ねえ…幸男…
　さっきから何ソワソワしてんの？」


「べ…別にしてねえーよ！」


「嘘…さっきスマホ開いたり閉じたりして…
　ご飯中にお行儀が悪いわよ！」


俺は家に帰り夕食を食べていると自然と聖知からの電話がいつ来るのか気になりソワソワしていた。


気にしたってすぐ連絡が来るわけじゃないとわかっていても、何度もスマホを触っていると母さんにマナー違反と注意される。



「所で…聖知ちゃんは元気？
　明日からテスト期間で部活休みなんでしょ？
　また、聖知ちゃんを…
　家に連れてきて欲しいわ。」



「……そのうちな…」



「その返事は…適当に誤魔化す気ね！
　いいわよ…いいわよ…
　こんど聖知ちゃんにあったら…
　過去に幸男が女の子とお風呂に入ってたこと…
　バラしちゃうから。」
　

「Σっ…そ…そんなの…
　幼稚園入る前の話だろっ…！」


母さんの言葉に口の中に入ってる味噌汁を吹きそうになる。
俺には同い年の幼馴染がいる。

幼稚園の時に引っ越しして以来、連絡は取ってねえが…
母さんが言ってるのは恐らく、あいつのことだろう。


俺は咽せて咳をしながら自身を落ち着かせていると、スマホの着信音がリビングに鳴り響いた。