第53章 警告※
「あら…海常の…確か…
聖知ちゃんだったわよね…?」
「あ…実渕さん、今日はお疲れ様でした。」
「うふふ…私の名前覚えてくれて嬉しいわ!
今日は征ちゃんが本気になったの…初めてみたわ…
普段は練習試合は出ないのよ?」
「…そうですか……」
ちょうどレギュラーの1人実渕さんが更衣室から出てくる。
試合の時とオーラが違い、意外な親しみやすさを感じた。
聖知は赤司の事を聞こうとすると、実渕の次の言葉に不可解な気持ちになる。
「でも、聖知ちゃん、これからはよろしくね?」
「……これから…?」
「あっ!玲央姉っ…
自分だけ…抜け駆けすんなよっ…!」
「あんたが着替えるのが遅いからでしょ?」
「よっ…聖知だよな…?
俺、葉山小太郎、今日の俺のドライブどうだった?
でも、あれにはまだ…先があって…
まっ…これから仲良くやろうぜ!」
「………?」
実渕と聖知が話していると更衣室から葉山が出てくる。話に割り込むように子供みたいな太陽のような笑顔で聖知に笑顔を見せる。
聖知は実渕さん同様葉山の言葉に違和感を覚える。
まるで…これからも顔を合わす機会があるような言い方だ。
「玲央、小太郎…話には順序があるんだ。
聖知が困惑している。
すまないが…聖知と2人で話がしたい。
席を外してもらえないか?」
「あら…そういえば…試合後話すって…
言ってたわね…とっても可愛いから…
早く仲良くなりたくって…」
「じゃあ、俺たちは退散ってことでっ!」
更衣室から出てきた赤司は先走って話を進めている2人を見て小さくため息をつく。赤司からの言葉に実渕と葉山は一足先に体育館へと向かい聖知は赤司と2人っきりになる。