第49章 初めての手料理※
「聖知…俺…
荷物取ってくるから待っててくれ。」
「え…それなら…ここにくる前に…」
「いや…待たせちまうし…その間に…ご飯とか…
その……着替えとか…あるだろ//」
「あ…そ…そうですね…//」
聖知のマンションまで来ると笠松は自分の家に引き返そうと戻ろうとする。部活で疲れているのに申し訳ない気持ちになると「着替え」と聞くと恥ずかしくなりお互いに顔を赤らめる。
「あの…その……幸男さんは……
好きなご飯って…何かありますか…?」
「いや…なんでも……」
「疲れてますし…その…好きなご飯食べて…
リフレッシュして欲しくて…
お…教えて下さいっ…//」
日々の練習で疲れているんだから…
少しでも元気になってほしい…
何より……
幸男さんの好きなものが…
知りたい……
笠松は健気な瞳で訴えかけるNAME1#が可愛く感じ顔を赤らめて言葉を続ける。
「っ……肉じゃが……//
む…無理しなくていいからな…?」
「わ…わかりました//
待ってますね…」
マンションで別れると聖知は自分の部屋に入り私服に着替える。
ふと…思い出したように箱に入れた水族館の袋を手に取り中身を取り出す。
「…幸男さん……気づくかな…//」
髪をアップにしてもらったバレッタで留める。
鏡を見て恥ずかしそうにしながら気持ちを切り替えご飯の支度を始める。