第48章 学力テスト
「それくらいで俺…諦めないっすよ…
必ず…好きにさせて見せ…」
「やめろっ…!
黄瀬…聖知ははっきり言ってるだろ…
本人の意思を無視してまで強行すんのかよ…」
聖知に近づいて黄瀬は触れようとすると、笠松は聖知を抱き寄せ黄瀬に触れさせないように抱きしめる。
「っ……!
…わかった…今回は帰るっす…
でも…俺は諦めない…絶対に…
聖知っち…また月曜日に…」
笠松の言葉に黄瀬は悔しそうな表情を一瞬浮かべる。
すぐにポーカフェイスを崩さず不敵に笑み…真剣な表情で聖知を見つめるとニコッと笑み手を振り帰っていく。
「聖知…大丈夫か?」
「はい…さっきはありがとうございます…
鍵返してくるので…待っててくださいね」
「いや…一緒に行く」
黄瀬がいなくなっても、心配で聖知を1人にすることをせず…笠松は手を繋いで一緒に職員室まで鍵を返却しに行く。
聖知は更衣室で着替えるとすぐに出てきて一緒に学校を出る。
「黄瀬……昼休み帰ってからもあんな感じだったか?」
「………そうですね…急に手に触れたりされたので…
きちんと…伝えないといけないと…思いましたが…
あの…大丈夫ですか……?
私のせいで…涼太と気まずくなってませんか…?
チームに影響出てないか…心配で……」
「大丈夫だ…
聖知は悪くねえだろ…
あいつがそういう態度取るならシバくだけだ。
それに…俺からも黄瀬と話するから心配すんな…」
「…っ…は…はい…///」
聖知に心配させないように笠松は聖知の肩を抱き寄せいつも以上に密着して自然と顔が赤くなるのを感じる。
さっき…黄瀬を諦めさせるためだったとはいえ…笠松に抱きついてしまったことにも本人を前にして自然と恥ずかしくなる。