第8章 信じろ
「くッ…あの野郎ッ…聖知っち飛び降りて‼︎」
「時間がねえッ!水瀬!飛び降りろ!」
「聖知ちゃん!早く!」
花宮の言葉に3人は焦りを感じ下から懸命に叫ぶ。
下着を気にしている様子じゃないのは分かった。
意を決して飛び降りようと下を見た。
予想以上に高く飛び降りることに躊躇してしまう。
足がすくんだ。
こんなとこから飛び降りるなんて…無理だ…
私は身体の震えが止まらず飛び降りれずあきらめかけた瞬間
「水瀬!ちゃんと抱きとめてやる‼︎…俺を信じろ!」
そうだ…
いつも…私が悩んでた時、諦めた時笠松さんはいつも私を助け出してくれた。
痴漢に襲われた時も花宮に絡まれた時も。
今ここから脱出しようとしてる時も。
「バカか?そんなことできるわけねえだろ?こいつは……なッ⁉︎バカッ‼︎やめろ!」
身体の震えは止まった。
私は笠松さんを信じて2階から飛び降りた。
目を開けていると笠松さんが真剣な表情で見上げているのが見え笠松さんは私を抱きとめてくれた。
笠松さんの首に手を回し笠松さんにお姫様抱っこされてる形となった。
「よし、大丈夫か…?」
「ッ………」
私は笠松さんに抱きついたまま顔を上げれずにいた。
安心して涙が止まらなかった。
笠松さんの服を握りしめ忘れかけたように身体が震えだし声を押し殺して泣いた。