第34章 信頼の大きさ

「そう…なら…安心したわ…まぁ…ここにきた時点で聖知を連れていく行く気はもうなかったんだけどね…」


「は…？…おい…とんとん拍子で話進んでるが…澄香…まさか…聖知が…こ…こいつと付き合うこと認めんのかッ…！？」


「何がいけないの…？」


「俺は認めねえ…」


「瑛一さん……あなたが考えている以上に…聖知をここまで変えてくれたのは笠松君のおかげだと私は思ってるわ。聖知の話を聞いてそう確信したの。」


「ッ……」


聖知の母は俺と聖知の交際を認めてくれているようだったが、瑛一さんは相変わらず認めていない様子に顔を顰める。


聖知がどんな話をしたか気になったが…ひとまずアメリカに行かないこと、別れずに済むことに安堵して脱力していると瑛一さんは舌打ちをして相変わらず俺を睨みつけていた。


「ごめんなさいね……聖知のことになると…すぐイライラするみたいだから…放っておいていいわよ。私がうまく説明するから。それより、聖知の所に行ってあげて…約束通りマンションで待っているから…」


「ッ…！……はい…」


俺は聖知の母がにっこり微笑んでるのを見て不覚にもドキッとしてしまい会釈すると公園を出て行った。


ーー笠松視点終了ーー