第6章 帰り道
「納得いかねえっす!!」
図書館の帰り道涼太は不機嫌そうに怒っていた。
「何が?」
「なんなんすか…あの笠松って人…なんであそこまで言われないといけないんすか⁉︎」
「でも、本当のことでしょ?」
「てか…聖知っち…あの笠松って人と前から知り合いだったんじゃないすか?」
「……そうだけど? 入学前から良い先輩がいるってわかってよかったね。」
「やっぱり…ど…どこで知り合ったんすか?」
「さあね…秘密。」
「ぅ…教えてほしいっすー‼︎」
歩きながら私と笠松さんが初対面じゃないことにすぐに気づき案の定詮索してくる。
涼太は私が男の子と話してる時はいつもそうだ。
今回もこうなるとわかっていたから黙っていた。
私が話さずにいると甘えたような声で抱きついてくる。
「ちょッ…わかったから…重い、暑苦しい!」
「ひどいっす…みんな俺に抱きつかれると卒倒もんっすよ?」
「…もういい「じょ…冗談っすよ!」
ただえさえ私より身長も高く大きい男に抱きつかれる=のしかかられると重いし気温が高い中抱きつかれると暑苦しい。