爆乳政治!! 美少女グラビアイドル総理の瀬戸内海戦記☆西海篇
第5章 悪意 中國山地
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夜の明けぬ内に境港に接岸した大型タンカーから乗り移った貨物列車に「運搬」されて来た男達は、暫し浴びなかった陽射しに顔を顰(しか)めつつ、神戸の兵舎に収容された。
神戸の兵舎に収容されたのは凡(およ)そ90名で、殆どが日本列島に地縁のない者ばかりであった。国籍を問えば、それぞれリビア、エジプト、アルジェリア、モロッコ、カルタゴ、とマグレブ(Maghreb)地方の出身者が多く、それ以外には文化的共通点を持つソマリランド、スーダン―特に北部―、シリア、トランスヨルダン、アラビア、バーレーン、アナトリア、そしてパレスチナのアラブ(Arab)諸国出身者と大陸としての括りをされる南アフリカ、ローデシア、ケニア、アンゴラ等のサハラ(Sahara)以南のコーカソイド、ネグロイドの者達、そしてほんの僅かな日本人が居た。彼らは収容先からしてわかるように兵士である。それも、金銭報酬を以て自他の血を流す「傭兵」という職業人達であった。別地区の兵舎にはヨーロッパ人やアジア人の傭兵達も居るが、傭兵の中でもここ神戸兵舎収容組の90人余りの者達は云(い)わば「VIP」であった。と言うのも、傭兵隊長として彼らを率いる男は宇喜多の旧友なのである。