第4章 少しの歩み。
誰か、来ると感じ睨みつける。
姿が見え、駆け寄る。
イタチが見え背中に乗せる。
驚いたテンゾウとゲンマ。
「病院に向かいます、よろしいですか?」
「助かるよ」
「頼む」
は走り去ると、意識が朦朧とするイタチをちらりと見て落とさないように急いだ。
か細い呼吸と早い心音、病院につくとサクラ!と叫ぶ。
直ぐに駆けつけて、担架に乗せられたイタチを見て眉間を寄せる。
「さん!綱手様をお呼びしてもらってもよろしいですか?」
「かしこまりました」
それだけ会話を交わし病院をでる。綱手の香りを探し走りだすと、サスケがナルトと口論しているのを見つけ襟を加え背中に乗せる。
「お兄様が負傷帰還しました、姫様の元に参ります。一緒に行きますか?」
「兄さんが、?」
「綱手様の手が必要のようなので、ご一緒がよろしいかと」
「なっ、解った連れて行け」
「はい、しっかり掴まってくださいまし」
それからは慌ただしかった、綱手も背中にのせ病院に戻るとバタバタとする人の足音。
ゲンマとテンゾウが病院につくと驚いていた。はシャワー室を借りて、次いできたシズネに洗われ綺麗にされていた。
イタチの病室に行くとかなり、重症らしく綱手は眉間を寄せていた。
そっと足元に擦り寄ると頭を乱暴に撫でられ見上げる。
「カカシが、来なかったそうだな。」
その言葉でハッとする。
「申し訳ございません…」
「お前が謝ることではない。イタチだからこの程度ですんだ。まぁ、オビトとカカシは二人ならさぞ上手くやっただろうが、イタチ一人でも十分強い。二人が行っても死んでいただけかもしれないからな」
「……イタチさん…」
「大丈夫だ、数日で目を覚ます。外傷は治した今後も問題はない。お前が早急に呼んでくれたお陰だ。助かったよ」
俯き、ちらりとイタチを見つめた。
痛々しい姿。
「、忍とはそういうものだよ」
近すぎる死との距離に悲しげに鳴いた。
サスケはそっと、を抱きしめた。
「私は、死ぬ怖さを知りません…ですが、大切な人を失うのは酷く苦しいです」
は忍ではなかった。けれど、殺戮はしていた。
もう誰も失うのは嫌だ。
何も失いたくない。
大切な人を……