第12章 やっぱり。
わからない。
なんであの男はあんな事を?
監督者は?
サクモはいなかったの!?
リンちゃんの友人って?
なんであんなことされたの?
なんで、なんで胸が痛むの!!!!
「誰か⋯教えて⋯⋯教えてよ⋯」
太陽が十時を指す頃。
は屍の上で眠った。
狼の姿は真っ赤に染まり、優しく撫でられる感覚で目を覚ます。
目を細めて顔を上げる。の大好きな人がそこにはいた。
貴方がいるだけで、どんなことも頑張れる。
「良くやった」
「はい!ダンゾウ様」
貴方のその言葉が全てを無かったことにしてくれた気がした。
言えるわけがなかった。貴方は心配性だと、私は知っているから。