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【NARUTO】人狼といっしょ。

第1章 泣き虫な子。


「わぁ!雪ですよ!わぁあ!初雪ですね!」
するりと手が離れが上を見ながら先を歩く。
冬用の外着を着ていたとは違い少し肌寒く感じていたが、心がぽかぽかとした。
「今年もクリスマスがやってきますね!」
まだ気が早いと言えばそうですか?と言っていた。
「サンタさんとやらに今年は会えると良いんですが…去年は寝てしまって…」
「ふっ、何をもらうんですか?」
「一時だけでいいんで、このかつらをとって普通の女の子として普通に恋愛をしたいのですよ」

「一時だけじゃ難しいですよ」
「そうなんですか?」
「ええ、それに恋愛は一人では出来ませんよ」
「その時は、イタチさんにおねがいしますね!一時だけ、その後は何でも言うこと聞くので!謝りますからね!ね?」
「はたけ先輩じゃないんですか?」
口を開き、眉を下げていた。
「旦那様は旦那様で私を生涯傍で監視する人ですから。普通の恋愛等出来ませんよ」
本音だと思ってしまった。
「なるほど…他に候補はいるんですか?」
「はい!ゲンマさんや…あと……ダンゾウ様です」
ダンゾウの足元で育った。
何も与えられず何も教えられず人を殺すことだけを教えこまれた。
何も教えられなかったのに、ダンゾウを愛していた。涙を流しながら任務をして、人を殺すことで褒められ喜んでいた。
ダンゾウ様がいつからか、彼女を使わなくなった。
それは、彼女が身内を殺した事が要因だった。
ダンゾウを愛した故だった。
「そんな事を…」
「…………解ってますよ、ですけど、けど…あの人以上に四六時中考える人が居ないのは事実ですからね」
結婚して、縛り付けようと思った目論見は外れた。解っていた。普通に憧れる反面、異常を愛した。
頬を赤く染めて、冷たい指先が頬を触れる。
「もう、逃げ出せないから大丈夫ですよ、綱手様の鎖も牢も完璧ですから!安心してください」
「そう言うつもりじゃなかったんだ」
「え、ぁ、いえいえ!私こそそう重い話ではないのですよ!」
慌てて弁解を探す。
ぺちんと頬を小さな両手で叩かれる。
「私は、私です!それはずっと変われないって話です!イタチさん、貴方もそうでしょう?サスケ君をまもるのでしょう?それはずっと変われない。よくも悪くも、ね?哀しくも暗い話なんかではないのですよ!」
頬をふくらませ言う彼女は少しだけお姉さんに見えた。
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