第7章 恋をした。
「見てみたかったんだけどねぇ、とお前の夫婦生活」
「俺にだって好きな人ぐらいいるよ、それはないよ、多分」
「だろうね」
全てを知っているように悲しげに微笑む父。
はなにも知らない顔をして全てを知っている。
「カカシー!!さんが倒れてるの!!」
リンが中庭に現れ何故か本を抱えていた。
サクモは立ち上がり、真っ先に玄関に向かった。それまでは早かった。
父の後を追いかけると、道の先には人溜まりがある。
「通しなさい」
その言葉で人ははけ、その先にはが倒れていた。
の腕には小さな男の子。
背中には数本のクナイが刺さっていた。
を狙うハズはない、がふと鼻を動かし目を開ける。
「誰にされたの」
白い髪の毛が赤く桃色に染まっていく。
めまいがした。
「違うん…です、ね、すこし、あそ、んで、いた…だけ、です」
「…ねぇ…俺…」
父はを抱き抱える。
「本物のクナイを使って遊ぶのは感心しないな」
「おこら、ないで、ください」
「は少し黙っていなさい」
「だって、ねぇちゃんが…強くなったら…ずっと一緒に居てくれるって…だから俺…」
がかばった理由がわかった。
「じゅーぶ、ん…つ、よい、ひと、ですよ」
くしゃりと男の子の頭をなでると母親が少年を殴り、頭を下げていた。
直ぐに近くの病院にと言われたが、はおうちにと言っていた。