第6章 XXXXXXX回目のやり直し。
サクモは揺れる白い髪の毛を懐かしげにみつめる。
白く長い髪の毛が揺れる、あの頃は藤色で美しく行く人の目を惹くほどだった。
「サクモさん…?」
「紫…」
「紫?サクモさん?」
青い瞳ではない、金色の瞳。
「あぁ、ぼんやりしていたみたいだ」
「行きましょう、お夕食に片付け、洗濯、やることは山盛りですからね」
はにこりと優しく微笑む。
手をつなぐ。
二人で背中には暖かい夕日。
小説で読んだような、親子の姿には嬉しくなり俯く。
「サクモさん、今度はうまくいくといいですね」
「上手くいくよ、僕も頑張ったからね」
かすれるような声には涙が落ちた。
「これからは、私に少し背負わせてくださいね」
「情けない父親だね」
「いいえ、私の自慢の主です」
二人で顔を合わせ笑う。
これから始まる優しく残酷な日常。