第3章 待ち遠しい
朝、言われた通りにマンション前で待っていると、蛍とグッチーが迎えに来てくれた。
まぁ、通学路の目の前だから迎えというほどでもないんだけど。
やっぱり学校に行くまでの間、あたしとグッチーが話している感じだった。
でも、休み時間の度に蛍にちょこちょこ話しかけたりしてみた。
数学が苦手なので聞いてみたり、
お昼休みには、蛍のお弁当の卵焼きが美味しそうだから交換してほしいと駄々こねたり。
それでも蛍はため息をついたりしながらも相手をしてくれた。
まぁ、卵焼き一切れの交換でメインのおかずのハンバーグを持っていかれた時にはびっくりしたけど。
でも、蛍のお弁当の卵焼きは本当に美味しくて、切なくて、悲しくなるくらい優しい味がした…。