第14章 【甘】この災難を彼女は〝運命〟と呼ぶ/相澤消太
「でも言ったでしょ?私の予言は絶対なんです。相澤先生が私の生涯の伴侶で、あれが運命の出逢いだったって。」
「もしあの時、俺でなくマイクが助けてたら今頃お前の隣にいるのはマイクだったかもな。」
「それは違うと思います。あの時助けてくれたのがマイク先生だったとしても、私は相澤先生を好きになったと思います。」
そう言って笑う逢崎を見て、コイツには一生かなわない気がした。
「そろそろ先生はやめないか?お前はもう雄英の生徒じゃない。それに明日からお前も相澤になるんだ。」
「相澤遥香かー。ふふっ。凄くいい名前だと思いません?」
「どうだかな。」
左手の薬指に輝くシルバーリングを見て、やはり過去の自分にあの日遥香から言われた言葉が口から漏れた。
「こんなに何年も付きまとわれるなら早いうちに認めとくべきだった。過去に戻れるなら自分にそう忠告してやりたい。」
それを聞いた遥香は満足そうに微笑んでいた。
fin.