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【WJ】短編 -2-

第11章 【裏】見えない優しさ/ナッシュ・ゴールド・Jr


「離して…っ!」
「The Japanese woman is energetic !(日本の女ってのは随分と威勢がいいもんだな!)」


 ケタケタと顔を見合わせ笑い合う目の前の男達に恐怖を感じながらも、ソイツ等を睨み付けた。

 一年前に日本で行われたJabberwock対VORPALSWORDSの再戦をアメリカで行う事になり、VORPALSWORDSのメンバーと共にアメリカを訪れていた。久しぶりに会うJabberwockのメンバーは以前とは違い、VORPALSWORDSをバスケプレイヤーと認め、最初から最後まで真剣に試合を行っていた。一年前の試合にも負けず劣らず、本当に素晴らしい試合だった。Jabberwockの皆の心境の変化やプレースタイルの変化には勿論驚かされたが、ナッシュが恐怖や圧力では無く、私が最も尊敬する笠松先輩のようにチームを纏めている姿に驚いた。それが本当に嬉しかった。ナッシュに笠松先輩みたい、なんて言うと、不機嫌丸出しな顔で他の男と俺を一緒にすんな、なんて言っていたけど、ナッシュが変わろうとしている姿をこの目で確かめる事が出来て、本当に嬉しかった。だから、少し浮かれて、気が緩んでいた。日本を出る前に、景虎さんから以前と比べJabberwockの雰囲気はいいものに変わったが、アメリカではJabberwockに恨みを持っているバスケチームも多い。だから、Jabberwockへの恨みの飛び火がVORPALSWORDSにも飛んでくる可能性が無いとは言いきれない…と。アメリカは日本と比べれば治安も悪いし、単体行動はしないようにと言われていたのに、ナッシュに早く会いたいという気持ちを抑えきれず、一人ホテルから出た所を運悪く、景虎さんの言ったJabberwockに恨みを持つチームに絡まれてしまった。抵抗も虚しく、廃ビルへと連れて行かれてしまった。

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