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【WJ】短編 -2-

第3章 【甘】チョコレートの代わりに/青峰大輝


「あ、若松!」


 青峰と話してると、教室から廊下に出てきた若松を呼び止めた。監督から預かっていた練習試合の日程を渡そうと思ってたから丁度良かった。


「はい、今度の練習試合の日程表。」
「おう、サンキュー。」


 クラスは違えど、同じバスケ部のキャプテン同士、若松とはまあ、割と仲のいい方だと思う。若松と他愛も無い会話をし乍、音楽室へと移動する。


「遥香。」


 名前を呼ばれ、乱暴に手を引かれ、振り向くと、目の前には青峰の顔。は?近…!なんて思ったのは一瞬で、唇に生暖かい感触。それから逃れようと必死に抵抗するが、キスはどんどん深くなる。


「青峰おま…!何やってんだよ!?」


 若松の抗議も虚しく、されるがままの私。やっと解放されたと思ったら、青峰の胸に力強く抱かれた。


「俺の前でイチャついてんじゃねーよ。」
「アンタほんっと信じらんない!」


 その頬を引張叩こうと手を振り上げたが、私の手は青峰に止められ、再びキスをされた。


「チョコ無いんじゃ、他のモン貰わねえとな。」


 ニヤリと妖艶な笑みを浮かべる青峰にそのまま担がれて、廊下を歩く生徒達から好奇の目で見られ、羞恥心で埋め尽くされた。手足をばたつかせ抵抗するが、青峰と私じゃ体格差も力の差もあり過ぎて、その抵抗は最早無意味だった。こんな事になるなら素直にチョコ渡しとくんだった。けど、そんな事を思ってももう遅くて、保健室へ連行された私は次の授業をサボらされる羽目になった上、青峰に食べられてしまいました。



fin.

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