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【WJ】短編 -2-

第16章 【裏】私は飯田くんと致したい!/飯田天哉


 上鳴くんに言われた通り、放課後、空き教室で時間を潰していると、バタバタと慌ただしい足音が聞こえた。


「上鳴くん!一体何をしたらこういう事態になるんだ!?」
「ああもう!説明は後だ!取り敢えず委員長はここに隠れとけ!俺は向こうに逃げるから!」


 乱暴に開けられた扉。転がるように教室に入ってきたのは飯田くんだった。


「逢崎くん!?」
「えっと…どうしたの?」
「いや、俺自身よく分かっていないんだが、」
「クソ眼鏡!アホ顔!逃げんじゃねえ!ぶっ殺す!」


 物騒な言葉を叫ぶ声が聞こえ、ただならぬ状況だと判断した私は飯田くんの手を取り、そのまま掃除道具棚へと飯田くんを押し込み、私もその中に入った。


「何で君まで…!?」
「えっと…つい流れで?」


 狭い空間で動きの取れない状況。飯田くんの体と密着。飯田くんの息遣いと心音がやけに耳に響いた。ほのかに香るオレンジの香り。


「ん…っ、」


 少しでも私と距離を取ろうとした飯田くんの手が私のお尻を撫でた。


「す、すまない!」


 追われてる状況だと言うのに大声で謝罪の言葉を口にした飯田くんの口を慌てて手で抑えた。飯田くんの声に反応してか、教室の扉が破壊されたんじゃないかという位大きな音を立て開いた。掃除棚に背を向ける形で中に入っている為、教室の様子が分からない。個性を使用して教室の様子を見ようと思ったが、飯田くんと密着してるせいで意識が上手く集中させれず個性が使えない。私の意識は完全に腹部にある飯田くんの股間に集中してる。待ち望んでいたモノが目の前にあると思えば思う程、そっちにばっかり意識がいってしまう。


「クソが!アホ顔!ぶっ殺す!」


 再び叫び声が上がると、足音は遠のいていった。


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