第1章 片付けの後は… 天蓬(甘裏)
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「…はぁ…いいお湯」
埃1つが許せないわけではないが…
あの部屋は、酷すぎた。
本が溢れて踏み場がない。
──ガチャ…
…がちゃ?
『湯加減は、どうですか?』
「~~ッ!!」
言葉が詰まってしまったのは、天蓬の格好である。
あろうことか、タオル一枚で入ってきたのだ。
「さっき、入ったでしょ!?」
『いや、折角ですから…疲れた身体を労ってあげようかと』
「いらな…って、入ってこないで!!」
『まぁまぁ、遠慮しないで下さい。背中でもながしますよ』
遠慮なんてするかぁ!!
天蓬と入ると、ろくな事がない。