第1章 片付けの後は… 天蓬(甘裏)
「捲簾、説明してちょうだい」
『…いや、俺も説明してもらいてぇ』
『「どうして、こうなった?」』
そう、二人で声をあげてしまった。
それもその筈…
数日前に、それはそれはキレイにした部屋が…
原型を留めていない。
『おや、二人ともどうしたんです?』
「…天蓬?また、散らかったのね?」
『そうなんですよ♪本を探してたら、こんな感じで…』
『諦めろ、。コイツには、片付けると言う考えがないんだよ』
諦めろと言われても、他人なら放っておくけど…
「…別れようか?」
『えぇ!?どうしてですか!?』
「汚い…汚な過ぎる…。もう、無理!!」
声をあげた私は、天蓬を浴室に放り込んだ。
「片付けといてあげるから、とりあえずお風呂に入りなさい!!」
『おぉ…相変わらず天蓬は、お前に頭が上がらないんだな』
「うるさいわよ。捲簾も手伝って」
『はいはい、お姫さま』
───
『はぁ、いいお湯でした』
『「……」』
天蓬があがってくる頃には、片付けは終わったものの…
脱力感しかない。
『おや、キレイにしてもらって、ありがとうございます』
「…私も、お風呂…入ってこよう。天蓬、お風呂貸して…髪の毛に埃とかが…ヒドイ…」
『俺も、部屋に帰るわ』
『何か用事があったんじゃないんですか?』
『「……(腹が立つ…)」』
どうして、こんなだらしない人と付き合っただろうか?
自分に呆れてしまう。