第10章 帰り道の途中で(2)

『だが、これだけは覚えておけ』


………。


『俺じゃなく誰かに相談しろ、頼れ』


…………。

『俺じゃなくても良いから誰かを頼れ』


………………。

『総一郎君でも良いから』


総悟を頼る…？

そんなことーー…
今更、出来ないよ…。


《本当に何なの、黙ったままとか意味わかんないんだけど。どうしたの反抗はもうお終いなのぉ？》

｢……」

《ふふっ、結局アナタは独りじゃ何も出来ない人間なのよ！！》

｢…ッ…」

《何？ 本当のことを言われて何も言い返せない自分が悔しいの？》

｢……」


こいつ等の言う通りだ…


結局…


私は独りじゃ…


――何も出来ない人間なんだ――