第6章 総悟の想い
「……」
―ガラッ―
放課後…
俺は職員室にやって来ていた……。
「来たか…」
「俺を呼んだのはアイツの話を聞く為ですよねィ?」
「あァ。アイツ、話してくれなかった」
「そうみたいですねィ…」
「知ってたのか?」
「昨日、会いに行きやしたから…」
「そうかァ」
「約束しやしたから俺から話やす…華菜のことを…」
「あァ、頼む」
そう言った後、
俺は華菜についての出来事を話し始めた。
「アイツが学校に来ないのは"イジメに遭ってるから"です」
「…やっぱりそうだったのか…」
「中学の頃からずっとイジメられてたんでィ…」
「何で春野は誰にも相談しないんだ、何で隠してんだァ」
「華菜は人に迷惑や心配を掛けるのが嫌いな性格なんでさァ…」
「だからって!!」
「…けど、先生を頼らなかったのは"そういう理由"じゃないんです」
「ぇ」
「アイツ…1回、裏切られてるんです…中学の頃に教師に」
「!?」
「信頼していた教師に助けてもらえなかったんでさァ…」
「……」
「"助けてやる"とか"守ってやる"って言ってたのに…アイツらは裏切った」
「……」
「それからですよ、華菜が学校に行かなくなったのは…」
「中学の頃から…ずっと…独りで…」
「アイツは"教師"を嫌ってる…俺も…」
「……」
「俺でも駄目だったんだ…アイツを守る事が出来なかった…アイツは俺に守らせてくれなかったんでィ…」
「……」
「アイツの近くに居ながら…俺は華菜を守ってやれなかった…アイツは頼ってくれなかった…!!」
「総一郎君…」
アイツは…
いつも独りで……
悩みを抱え込んで……。
何で俺を頼ってくれないんでさァ…
なァ、華菜……。