第13章 生まれ変われるなら…【krk 笠松幸男】
去年のインターハイ、
私達、海常高校は優勝を狙える程の実力を持ったチームだった。
『今年こそは‼』と皆が意気込んで試合に望んだ。
もちろん、アイツに誘われてマネージャーをしていた私も。
でも…結果は一回戦負け。
負けたのは、笠松のパスミスが原因だった。
OBや先輩達から、ごうごうと非難を浴びた笠松。
このまま辞めてしまうんじゃないかと心底心配した。
肩を落とすアイツを見ていられなくて、
『気にしないで。次、頑張ろうよ』
なんて、安易に無神経な言葉をかけてしまった私。
笠松は、真っ直ぐに鋭くこちらを見据えて、
聞いたことも無いような低い声で、
『お前に何がわかるんだよ』
と、呟いた。