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いとし、いとし【短編集】

第11章 その花の言葉は…【krk 黄瀬涼太】


「結依っちにプレゼントっス」

家に遊びに来た涼太から差し出されたのは、綺麗にラッピングされた一輪のチューリップ。


「俺と同じ色っスよ」


なんて素敵な笑顔を見せる彼は、流石モデルさん。

こんなにも花が似合う男子高校生がいるだろうか?


キセキの世代でモデルの黄瀬涼太。

彼に着いている肩書きはあまりにもキラキラし過ぎていて、つい、たじろいでしまいそうになる。


でも、見た目だけを見て群がられる事を嫌う彼が、

平々凡々すぎるくらい平々凡々な私を選んでくれたのは、

きっと…私の中身を観てくれたんだと思いたい。



家が近所で、幼い頃から一緒だった涼太。

中学2年の頃に、幼馴染みから晴れて恋人同士になった。



残念ながら…

涼太が神奈川の高校に行った事で距離は少し離れてしまったけれど、

時間を見つけては、こうやって会いに来てくれる。



私は、彼の目標に向かって真っ直ぐ進む所が好き。

彼の優しさが、強さが、時折見せる甘えたが…好き。




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