第41章 向き合うのが遅すぎた【刀剣 大和守安定】
光忠と一緒に夕食の準備をしていたが、なにやら向こうが騒がしい…。
「はぁ…」
やれやれ揉め事か…と溜息を一つこぼし、苦笑いする光忠に断りを入れていると、タイミングよく厚くんが走って来た。
「大変なんだ、大将!! 新撰組と陸奥守で喧嘩してやがる。頼むから来てくれ」
「よりによってそこが喧嘩って…」
やはり、元の主の関係性は男士達にも影響が出るのか…
頼れる初期刀と最近揃った新撰組刀のいがみ合う姿が頭に浮かぶ。
肩で息をする厚くんに腕を引かれ、大まかな事の次第を聞きながら大広間へと走った。
厚くん曰く、
大和守と陸奥守が言い合いになったのが事の発端だと…。
近づくにつれて、罵り会う声は大きくなる。
「やれやれー!」と煽る声や
「やめろ!!」「やめないか!!」と止めてくれようとしている声も…。
そして、着いた先で目に入ったのは取っ組み合いをする二人と、それを取り囲む男士達。
「はぁ…」
ため息をひとつこぼして、目一杯息を吸い込んだ。
察した厚くんは手のひらで両耳を塞ぐ。
「あんた達ー!!!!何してんの!!!止めー!!」
私の叫び声で全員の動きがとまた。
皆がそろーっと此方を振り返る。
「主…」
「おんしゃぁ…」
ばつの悪そうな顔をする二人。