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いとし、いとし【短編集】

第40章 春、ひらく。【刀剣 太郎太刀】


「おーい!主ー。今、帰ったぞ。皆、怪我は無いからな。あぁー腹へったなぁ」

部隊長の御手杵がなんともぬるーいかんじで、出陣の報告をしてくる。

「そういや、新しい奴拾ったぞー。えらくデカイ奴だなぁ。大太刀か?」


「ほれよ」置かれた刀に、私の胸はときめいた。


この刀、知ってる!!

これは…『末之青江』

顕現した姿は確か…。
そう、太郎太刀!!

私が住んでいた街にある、神宮の宝物館に展示されていた刀だ。



小学生の時、校外学習という名目であの神宮の宝物館を訪れた際、この刀の大きさと美しさに圧倒された。


そこにはいろいろな刀があったんだけど、この末之青江は特に印象的で、

校外学習の後も度々見に行ったりしていた。


そんな刀に会えるなんて…。
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