第23章 はじまりは苦味【hq 烏養繋心】
(…あれ?烏養くん?)
私は夏休み明けから、この母校である烏野高校で養護教諭をしている。
産休の先生の代理だ。
先程、バレー部員が接触で頭を打ったという連絡が入り、やってきた体育館。
そこで見つけた懐かしい顔。
ある程度の処置をして、
すぐに練習をはじめようとする比較的小さめの子に、
「今日は見学するように」ときつめに言い渡して、
彼の側に寄ってみた。
「烏養くんだよね?久し振りだね」
呼び掛けても反応は悪く、
キョトンとした顔と共に返って来たのは疑問の言葉。
「えっと。失礼ですが…知り合いだっけ?」