第4章 デートですね。
「イルカ可愛かったですね!」
「そうだね、でも、アリスちゃんの方が可愛いよ。」
「ハイハイソウデスネ」
「ひどい!」
「あ、そうだ!私、飲み物買って来ますね!」
「あ、ちょ!って、行っちゃった…」
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「お待たせしまし…」
「いいじゃないですかぁ〜」
「私達とデートしましょうよぉ〜。」
あのアブさんが……ナンパされてるだと!?
「いや、ツレがいるんだけど…あ、アリスちゃん!?」
私はアブさんの腕を掴みその場から離れた。
ーーーーー
「え?ちょ、アリスちゃん?怒ってるの?」
「……なんで…」
「ん?」
「なんで、こんな…嫉妬したみたいに…心が痛いんでしょうか…恋人でもなんでもないのに…なんでっ?」
私は大人気なく泣き喚いた。
「…それはさ…恋なんじゃないの?」
「…は?」
「つまり!俺に恋してるんじゃないの?」
「え……えええぇぇ!!??」
まじかよ!確かに思い当たる節はいくつもあるが!
このセクハラ親父に恋!?
「ちょっと!いますごく失礼なこと思ったでしょ!?」
「ソンナコトナイデスヨ」
「また棒読み!」
「えええと…少し落ち着いて考えたら、分かって来ました…」
アブさんとデートと聞いて嬉しかったのも、アブさんがナンパされて嫉妬したのも…
「全部、アブさんが好きだったからだって…だからっ」
「そこから先は、俺に言わせて?」
アブさんは私と向き合ってこう言った。
「…俺と、付き合ってください。」
「っ!はい!」
「ふふ、顔真っ赤!」
「当たり前です!そう言うアブさんだって!」