第1章 再集合
隕石が墜落したと見られる場所に、猫は辿り着いた。
大地を抉る大穴に、見たこともないものが突き刺さっていた。
猫は近付いて、まだ熱いその物体の表面を眺めた。
つるつるした銀色の、流線型を画く物体は、どうやら宇宙船か何からしい。
新しいクレーターを作ったその宇宙船は、突如その表面を開いた。
横開きに開いた扉から、中にいるものが見えた。
中には、カプセルのような容器に入った、少年がいた。
少年はすやすやと眠っていて、自分の船が墜落したことなど気づいていないようだ。
猫は、コツコツとカプセルの表面を叩き、少年を起こそうとした。
が、少年は目を開ける様子がない。
代わりに、猫が押したボタンで、カプセルの蓋が開いた。
しゅうっと音を立てて開いたカプセルは、白い煙を出して中身を露にした。
少年は、オレンジ色の髪をしていて、ぴったりと閉じられた目にも同じ色の睫毛で縁取られていた。
少年の着ている衣服は、あまり見掛けるような形ではなく、どちらかと言うとコスプレの様な格好だった。
猫が、少年の頬をつつく。
すると、少年は目を開けた。
『ピンポーン』
という起動音と共に少年は起き上がる。
『ピピ、状況確認、状況確認、目的惑星に、到達、確認』
目からビームを出して、周囲の状況を確認する少年に、猫は驚いて後退る。
『安全、確認、起動、します』
シュウウウウ
少年は、もう一度、ぱちりと目を閉じ、そして開けた。
そして首を傾げ、地面を見つめた。
「…………?ここは何処でしょう?」
「みゃお」
足下で鳴いた猫に気付き、少年は猫を見た。
「君は、この星の生物ですか?」
「みゃお」
ピ、ピピと音を出して、またビームを、今度は猫に向かって放ち、少年はまた首を傾げる。
「猫?この星には面白い生命がいるのですね。」