第3章 彩歌。
帰宅すると案の定珠翠が憤慨していた。
ごめんなさいねぇと言えば劉輝を抱えてヨシヨシすると、ため息をついてい許してくれた。
劉輝は何処かぽーっとして眠そうにしていた。寝室に運ぶと言えば眉間を寄せていたが許してくれた。
夜風が吹き抜ける廊下に強く抱きしめた。
「劉輝、どうしました?」
「なぜ、しゅーれーはべんきょうなどするのです?」
「さて、何故でしょうね」
「にょにんは、いみがないのでしょう?」
「⋯⋯そうですね、でも、紅家の姫様ですからね教養は必要でしょう」
劉輝は眠い目を見開き驚いていた。
「そうです、王の妃にもなれる一族です。彼女は言わばこちらの人間なのですよ。庶民とはまた程遠いいですからね」
「⋯きさき、?」
「ふふふ、それはまた次回のお勉強に致しましょう」
「うむ⋯」
よしよしとほほ笑む。
眠たげな劉輝を、寝台に寝かせポンポンと撫でながら見つめる。明日はもっと頑張ると寝言のように言うのを見て愛おしくなる。
えぇ、頑張るのよと言えば眠りにつく。
愛らしい笑顔。
愛おしい微笑み。
この時にはもう決めていた。