第2章 彩香。
「千代、処で世継ぎの方はどうなっている?」
「⋯⋯は?」
千代は怒り混じりの一言を吐き出す。
旺季は咳払いをして、視線をそらす。
「何?叔父上は孫が欲しいと?静蘭だけでは足りぬと仰るのですか?あんなに可愛い静蘭だけでは足りぬと!?」
「そうではない!静蘭は賢く驚くほど⋯⋯⋯愛らしい⋯だがそれとこれとは別問題」
「劉輝を私の息子に致します。ほら、直ぐ孫が出来ますよ」
「千代!」
「⋯⋯⋯叔父上、踊らされてどうするんです。彼が私を愛していると?本当に貴方は正しく素直ですね⋯私はいい札なのですよ、彼にとって」
そう言うと苦笑いをしていた。
「千代⋯なら何故」
「私は愛しているからですよ、叔父上。私はあんな王を愛しているのですよ。」
深いため息をつく。
「そんなことより、いい知らせと悪い知らせです」
官吏の妃にため息さえ忘れる。
あぁ、確かに結婚等馬鹿馬鹿しい。
彼女を監視するための檻にも思える