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【彩雲国物語】彩華。

第2章 彩香。



 えぇ。貴方はそうだ。
 優しいから。
 そうなのだろう。
 劉輝と似て清苑によく似た優しさ。
 「さて、私はこのおままごとの収束に務めましょう」
 ぱちりと手を叩き微笑む。
 「つ、次はお前は何をするつもりだ。」 
 何故か怯える旺季と鬼姫。
 「一つ、縹家の薔薇姫の解放。これは、私しか出来うる事ではありません。そして、その解放の為に主上には、彼女の暗殺に向かって貰うだけです。その手はずは直ぐに致しましょう。」
 今が奇跡、そう、今まで積み重ねた結果の鬼姫だから。
 奥歯にチカラが入る。
 「俺が薔薇姫の暗殺にか?」
 「いいえ、ですから、申しているのです。鬼姫には、劉輝と清苑の教育係にと。暗殺家業などウチの唐変木に任せておけばいいではありませんか。」
 「なに?」
 「邵可以外が行けば死ぬだけです。断言できますから。」
 「っ!何を知った口を!」
 「陛下、お忘れですか。私は縹千代ですよ。縹家の莫大な知識の収集力はなめてはなりません。そして、私も知ったのです。あの場所では優しい姫が護っていることを。だから、誰も死なぬためなら、邵可しか有り得ません。」
 「なぜ、邵可なのだ」
 鬼姫の言葉に千代は目を閉じ微笑む。
 「邵可は死なない。けれど。鬼姫貴方は主上の名で死ぬ。何故なら簡単です。老です。易易と死なぬでしょうですが、小さな隙はあの場所では命取り。無駄死は叔母様には似合いません」
 「まるで知っているかのような口ぶりだな」
 
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