第7章 彩駆。
「落ち着いて、千代」
「はぁっはぁっ、貴方が、すり替えたのですね!!!貴方がッあなたが!!!!!貴方しか知らないのですよ!!」
「そうだよ、何としても千代には妃でいてもらわなきゃと思っているからね。」
掻き毟る顔の火傷のあと、酷い顔だった。
泣き叫び宥めようとする栗花落を突き放していた。
「ごめんね、千代。」
「⋯いゃ、いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや、、、、、いやぁよ⋯何処から私は間違えていたの⋯もう、わからないわ⋯」
「⋯⋯千代」
優しく千代を抱きしめている栗花落。
その腕の中の泣き崩れる汚い人形は人の目をしてはいなかった。
翌日、千代は外泊をすると栗花落と共に部屋を開けた。
そして、一年間二人は姿を表さなかった。
一年後、栗花落は小さな小さな赤子を腕に再び王宮に戻る。
美しい娘は何処か、妃に似ていた。