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Aprikosen Hamlet ―武蔵野人狼事変―

第1章 「バベルの塔」THE TOWER


斎宮「…ああ、俺も何となく思い出した。つまり、何かが上空で爆発して、その時の磁場か何かで、電子機器がぶっ壊れたわけか。で、ついでに俺達も気絶したと…でもさ、人間が意識を失うって、相当だろ?」

生田「爆発したのは、やっぱり弾道ミサイルかな? だとすると、日本にそんな物を撃って来る国と言えば…」

斎宮「だけど、それならアラートが反応するはずだ。前の戦争で、この国の防空システムがダメージを喰らったとはいえ、レーダーを全てかいくぐってミサイルを着弾させるなんて、アメリカでも無理だろ?」

 理解できかねる情況を、状況としてどうにか理解しようと試みる二人。現時点で分かっているのは、「バレンタイン作戦」の途上、ミサイルと思しき弾頭が上空で炸裂し、それに伴う何らかの被害により、意識を失っていたという事。それも、恐らく数日間に及ぶ昏睡状態だったようだ。その間、通信などの電子機器が破壊され、最も不審なのは、第四中隊の仲間達が、忽然(こつぜん)と「蒸発」してしまったという事である。

生田「だとすると、僕達が真っ先にやらなきゃいけない事は…」

斎宮「食糧の確保、だな。特に水分。手持ちの非常食には限りがあるし、まさか呑川の水を飲むわけにはいかないからな…急がないと、タイムアウトだ」
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