第11章 光と光
「………」
《青峰っち、今度はこの射的で勝負っス!》
《ははっ、望む所だ!》
《たくっ》
《子供だね~。モグモグ》
《そう言うお前が、一番子供なのだよ!何なのだ、その両手いっぱいに持っている物は》
《たまには、良いだろう。こうやって、みんなで息抜きをするのも》
《テツく~ん!ねぇ、コレしてみない?》
《輪投げですか?別に良いですよ》
みんなで行ったお祭り
あの頃は、まだ"あんな事"がなかったから、楽しかった
けれど、その後、別々になってしまった
黒子と舞花は誠凛
黄瀬は海常
緑間は秀徳
青峰と桃井は、都内の高校
そして、残る2人は黄瀬よりも遠い県外に出てしまった
また昔みたいに、楽しい仲を作りたい
けれど、過去は戻れない
何故、あの時
こうなる事を予想出来なかったのだろう
いや、出来ない
それができ、全てを知っていたのは、神様のみ
ああ、神様はなんて残酷なんだろう
「………ッ」
舞花は立ち止まり、ポロポロと泣いてしまった
声を出さないように、口に手を当てながら