第4章 5分の2が鈍感
俺が想いを募らせること20年、俺はイヤという程思い知った。
嵐には信じられないほど鈍いヤツが2人もいることを!!
「ニノ〜好きぃ〜」
「はいはい。相葉さん、近い。」
酔っ払ったふりして思いっきり抱きついても、全く何とも思ってくれないんだよ、この鈍感和也は…っ!
普通男が酔っ払ったからって、友人に抱きついて愛の言葉囁かなくない!?
いやもしかしたらあるかもしれないけど!
ほぼ毎回抱きついてくるって、ちょっとくらい『もしかして俺のこと…』くらい考えてくれてもよくない!?
「俺もすきぃ〜!」
「翔ちゃん、暑苦しい。」
「ちょっと翔ちゃんっ!!ニノは俺のなんだからねっ!」
「違います。」
何翔ちゃんまでどさくさに紛れて俺のニノに抱きついてんのっ!?
いつもは驚くほど空気読めるくせに、何でこういう時に限って空気読まないかなぁ!
めちゃくちゃ翔ちゃんのこと睨みつけてんのに…
俺だってね、20年もボヤッと眺めてたわけじゃないんだよ?
告白だってしたし、アプローチだってずっと続けてる。
なのにちゃんと告白しても、
「はいはい。」「わかったから。」「知ってます。」
この三大セリフ!!
これで全部片付けらる。どんなに本気だって言っても、1ミリも信じてくれない。
だから俺は決めた。
これはもう、俺を好きにさせるしかないって!
俺はぜ…ったいに諦めないからな!!
「ニノ〜〜…」
「ちょ…太ももを撫でるなっ!!」