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【HQ東】君の相手をこの俺に

第6章 始まったもの


と夏休み明けの烏野達の練習を思い出しては小鹿野達の下級生時期と重なってそれがまた懐かしく思えていた。あのあと森然とは打ち上げのような会があり楽しいひとときを過ごし
「またいつかな」
と森然を後にしてきた。
そして、
「腫れ、ちゃんとひいて良かったな」
と夏休み明け、あの練習時に腫れた頬に触れて気にかけてくた東峰。その時の東峰の体温が心地よく残り、
(はぁぁぁぁ!軽々しく女子に触れるなよぉぉぉ!)
と学校から戻って、やっと自室でじたばたしていた。
(はぁ)
これはもう、好きってことなんだろうか。
(東峰、もう誰かと組んでるかな)
そう思いながら次の日、他の被服専攻の子達に聞いてみると
「東峰?ムリムリ、ただでさえ大きくてメンズの基本サイズから外れちゃう」
「背高いから布代かかっちゃうし」
「行ったところで、いやぁって照れてばかりで話になんない」
確かに東峰は背が高いし体格もいいからメンズの基本サイズじゃ足りない。となれば生地代も高くつくわけで、頼みに行ったところで本当、話にきいた通り
「俺よりもっと良い奴が居るよ」
と言っていそうだ。なるほど、だから皆東峰へ頼みはしないのか。じゃぁ東峰はまだフリーと言うわけで
「じゃぁ旭に頼めばいいじゃん」
とその日の昼休み。購買に行っている澤村と東峰が居ない間に菅原に相談するとそう返ってくる。
「い、いや、でもそれは、さ。私が行ったところでじゃん?」
「いやいや、行っていいし、言っていいから!!」
「い、今から東峰サイズ作るのは大変なんだよ!」
それに
「菅原のサイズで作っちゃったし!」
と言ったところで丁度二人が現れ、
「なんだ名、ドレス出来上がったのか」
「あ、ドレスの事か、夏休み空いてなかったのに頑張ったなぁ」
と菅原のサイズと言うことを聞き逃した二人の返答に安堵しつつ
「他の課題の話」
と返す。
「ドレスまだ終わんねぇの!?」
「ら、来週には終わるもん!」
菅原にはいつも痛いところをつかれてしまう。確かに夏休み中にいじれはしなかったがだいたいはできていて、あとは細かい飾りつけ、やたら長い裾あげ、フリルつけ。飾りつけは終わりを決めてないのでつけたいだけつけられる。いい加減フリルを土台に着けないとと思う。
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