【HQ】岩ちゃんが男前過ぎて今日も私は死にそうです
第1章 大胆な告白
学校へ着き、下駄箱で上履きに履き替えていると、思いっきり肩を抱かれた。
「おっはよー!」
「おはよう、みのりん。なんかご機嫌だね。」
みのりんは分かっちゃう?なんて言って嬉しそうに口元を綻ばせた。なんでも、昨日解散した後、みのりんは及川くんに家まで送ってもらったらしく、その際、また遊ぶ約束を取ったらしい。そして、携帯の着信が鳴れば、嬉しそうに携帯を見つめ、返信を打っていた。完全に恋する乙女モードのみのりんは、恋を知らない私には何だか眩しかった。
「マッキーおっはよー!昨日花ちゃんとどうだった?」
「…別に。」
「別にって事は無いでしょ?徹には及ばないけど、花ちゃんも中々イケメンじゃん?」
「花ちゃん?」
聞きなれない名前に頭を傾げると、ちーちゃんが、花巻くんの事だと教えてくれた。花巻くんはマッキーと呼ばれてるらしく、それじゃあマッキーと同じでまどろっこしいから花ちゃんと呼ぶ事に決まったらしい。
花巻くんとあの後二人で何を話したのか、とか、いい雰囲気にならなかったのかと、みのりんは質問を重ねたが、マッキーは本から目を離す事はなく、適当に返事をしていた。
「てか、郁は昨日岩ちゃんとどうだったの?」
マッキーの反応が自分の期待していたものと違ったのか、みのりんの興味は私へと逸れた。
「別に何もないけど。」
そう言いながらも、昨日岩ちゃんに言われた言葉を思い返すと、自然と顔に熱が集まった。
「全く男っ気の無かった郁に春が来て私は嬉しいよ。」
「だ、だから!そんなんじゃないから!」
「はいはい。そういう事にしといてあげる。」
大体岩ちゃんとはまだ友達になったばっかりで、好きとかそういうのじゃないし。…いや、まあ、いい人だな…とは思うけど。男らしくて真っ直ぐだし。友達として惹かれる所は多いけど、異性としてはどうかと聞かれたら、まだよく分からないし…。そもそも友達としての好きと、異性としての好きの違いもよく分からないし。
「で、何があったか詳しく話してもらおうか。」