第1章 髪飾り【エレン・イェーガー/甘】
『はぁぁ、疲れたね、』
私は今、104期訓練兵団に所属している。今日は立体機動の訓練を行い、ヘトヘトになった私達は水飲み場に並んでいる。
『でもさ、すごかったよね』
『ミカサでしょ?もうなんか人間離れしてるよね』
ミカサというのは同じ104期の仲間で、何をするにも非の打ち所のない女の子だ。微かに憧れている。あんなかっこいい女子になれたらなぁ……
ミカサは最近綺麗な長い髪を切った。なんで切ったの?って聞いたら『エレンが切った方がいいと言ったから切った』と淡々と答える。
エレンというと……確か前にジャンと喧嘩したやつだっけ。とても熱いことを言っていたな。詳しくは覚えていないけど、巨人を1匹残らず駆逐する、とか。
そんなの無理に決まってる、と思っている私にはエレンが少し苦手だった。
_____あの日までは。