第1章 これが日常
「ぜ、全然びっくりなんてしてないんだからね!!!わ、私だってもう大人なんだから!」
「ほんとに?」
「えっ」
いきなり、いつにも増して鋭い目で見つめられる。
そんな顔は滅多に見たことがなくて、少しだけ、怖いと思ってしまった。
「…うそです、びっくりしました。」
「よろしい。」
そう言った皐月の顔はいつもどうりに戻っていて、やっぱりさっきの顔は私に強がりを言わせないためにしたのかもしれない。
そう思うと悔しくなってきた。
「くっそーー、やっぱり皐月には敵わないなあ…。常識的には私の方が勝ってるのになあ←」
「まあ当然だろ」
「おのれー!!!!あぶっ」
このやろーと思って殴りかかろうとしたが、それを遮るように私の頭をくしゃくしゃっとしたあと、
「じゃ、また明日」
と言ってそのまま私の隣の家へ帰っていった。
その頃には、さっきの出来事は気にならないくらいに、頭のどこかへやっていた。