第11章 ヤキモチと本音
ここで言ってもいいんだけど、
もしだめならこれが最後になるだろうから
と思うとぎりぎりまで…と、
もう少し雰囲気が落ち着いたところでと思って
時間になり僕たちは繁華街をブラブラし始めた。
「あのアイス美味しそう…」
と呟く由佳に買ってくるから此処にいてよ?と伝えた。
アイスを両手に持ってすぐに戻ったら、
由佳が話をしていた…。三年と
「スイパラしてきたんです!」
「へぇー女の子はやっぱり甘いモノ好きなんだねぇ!」
東峰さんが優し気に言うと
「皆さんは何してるんですか?」
「あ~、オレらはカラオケ行くべ!ってなって」
「へぇ~、カラオケですか!皆さんがどんな歌うたうのか気になりますね!!」
僕が近づいても全然気づかない…。
「アイス…買って来たんだけど?」
「あっ!蛍!ありがとう!今先輩たちに会って…」
「皆さんどうも」
「月島も一緒だったのか。スイーツ食べ放題行ってまだアイス食えるのはすごいな!」
「そーですか?あっここのアイス美味しい!!あっ、蛍、大地さん達カラオケ行くんだって~!どんな歌うたうのか謎だよね~!!」
と笑いながら楽しそうに言っている。
さも、そっちに行きたそうに…。
イライラしていく…。
「お前らも予定がなければ、一緒にカラオケ行くか?」
「「ちょ、大地!!!」」
「え?あ?え~と…」
「行けばいいんじゃない?僕はブッフェ行きたかっただけだし。もうこの後だって予定ないんだから。行けば?じゃあね。先輩たちあと頼みます」
そう言うと僕は背を向けスタスタと大股で歩き始めた。
ポケットの箱を握りしめながら。
後ろから
「ま…て…け」
と聞こえるけどずっと無視して歩いた時腕を掴まれて…
「何?」
「待って、あたしカラオケ行きたいなんて…」
「僕さ、君のそういうところが本当に大嫌いだよ。イライラするんだよ。今日だってブッフェに山口と行くと目立つから君と行っただけだし。君がカラオケ行こうが僕には関係ないから」
手を無理やり払ってまたスタスタと歩くと
後ろでビタンっと大きな音が聞こえ振り向くと
由佳が盛大にコケていた。
手を貸さなきゃと思う自分と、
どうせ「大地さん」の所に行くんだから関係ない
と思う自分がせめぎ合って結局手を貸せなかった。