第2章 隣だから
昼休み隣では佐々木由佳が仲良くなった女子数人と食事をとっている。
僕は僕で山口と。
嫌でも隣の会話は聞こえてくる。
誰がかっこいいだとか、彼氏が冷たいだとか。
「ねぇねぇ、由佳の理想の男性のタイプってどんな人ぉ~?」
「え?理想?理想でしょ?ん~身長は150㎝以上で220㎝以下、優しくて、頼りになって、面倒見がよくて、良い事とダメな事の線引きを教えてくれて、悪い事したらしっかり叱ってくれて、良い事したらすっごく褒めてくれる人かな!」
「…具体的だけどさ、それって、彼氏っていうか、理想のお父さんじゃん!しかも150㎝から220㎝って大体の男の人入るからね!」
周りの女子に笑われながら彼女はツッコまれても、あはは~そっかぁ~。なんて間抜けな声で笑っている。
「でもさ……と…は…よね…」
彼女は何かボソッと言ったようだったが周りの喧騒にかき消されて聞き取れなかった。