第2章 隣だから
昨日から彼女を見ていて思った事がある。彼女は基本的に笑顔で誰にでも優しい。平等とか公平。悪く言えば八方美人。でもそれは、きっと誰にも興味が無いって事なんだと思う。
僕とは反対の興味が無い態度。似ているようで正反対の興味が無い。
きっと僕にもさほど興味がないんだろうと思う…。偶然、席が隣だったから。
偶然、名前が珍しかったから。たったそれだけのことだろう。
僕は期待して<ソレ>が裏切られるのが大嫌いだ。
だから期待なんてしない。
これ以上彼女に深入りしちゃダメだ。
頭でそう決意して今だ僕を挟んで楽しそうに会話をしている二人を見ながら電車を降りた。
高校に向かっている途中で彼女は楽しそうに話しかけてきた。
「ねぇ、蛍。蛍は部活とか入る??あたしは部活入ることにしたの!」
「君には関係ないデショ。それに君が何部に入ろうが僕には関係ないから。」
「…そうだよね。ごめんね。」
彼女はとても悲しそうで寂しそうにしゅんとして黙ってしまった。
そのまま彼女も山口も無言で歩き教室についたがその後も彼女は何となく元気がないような気がする。