第2章 隣だから
朝、いつものように自然と山口と合流し、駅に着くと彼女が居た。
「あれ?佐々木さん?同じ駅なんだね」
「みたいだね。」
少し離れたところに立って電車を待っていると、彼女が不意にこちらを向いた。
「あっ、蛍?」
返事もせずに、会釈だけすると彼女はニコニコしながらこちらに寄ってきた。
「おはよー!」
「おはよう」
「隣の男の子は蛍の友達?」
「あ、俺山口忠って言います。ツッキーとは小学校から一緒で。」
「そうなんだぁ。佐々木由佳です。よろしくね」
二人は僕を挟んで会話をし始めている。山口の事をグッチーなんてくだらないあだ名で呼ぶことが決まった時目的の電車が来た。