第7章 ソレの扱い方
現実と夢の間で由佳を見つめながら、
僕は由佳に問う。
ねぇ、なんでそうやって無防備に僕に近づくの?
ねぇ、なんでそうやって僕の城壁を壊していくの?
ねぇ、由佳はずっと隣にいてくれるの…?
僕は由佳を信じていいの…?
僕は由佳に裏切られたくはないんだよ…。
ねぇ…僕に教えてほしい。
もう僕は《ソレ》に気づき始めているから。
もうわからないなんて言えなくなっているから。
ねぇ、僕も、もう本気になるよ?
戻りたいなんて言われても
もう戻れないんだよ…?
由佳が悪いんだよ。
《ソレ》に気づかせるから…。