第6章 左隣と君
今日の昼休み、いつも通りに僕の前で弁当を広げている山口と
由佳は左隣りにいて、
女子と食事しながら僕らと話をしたりしていた。
ガラガラと教室の引き戸が開くとキャプテンと菅原さんが、
「邪魔するぞー」
といって入って来た。
由佳は、嬉しそうな顔をしながら
「大地さ~ん!スガさ~ん!」
なんて騒ぎながら手を振っている。
二人もおーいたいた。と言っているから由佳に用事があるんだろう。
月島は席も隣なんだな~
なんていう二人からの会話に会釈と適当な返事で返した。
「これ、朝練の時渡し忘れてさ。清水に聞いたらこれは由佳がやっているっていうからさ。今日、急にで悪いんだけど早めにチェックしといてくれるか?」
「わかりました!すぐ終わらせますね。難しいことじゃないので大丈夫ですよ!」
「悪いな!」
「ありがとな~!」
そう言うと二人は当たり前のように由佳の頭を撫でて、
じゃあな
と言って教室を後にした。
由佳の周りにいた女子達はきゃあきゃあと騒いで、
どっちも由佳の理想のタイプっぽい!
どっちが好きなの?
なんて聞いている。
由佳は、
そーゆーんじゃないってばぁ!部活でお世話になってる先輩だよ!
なんて言ってはいるけど。
笑顔だから、否定しきれていない感じがする。
あの二人を見て、
由佳の理想のタイプを知っていれば、
誰しも、二人のどちらかに好意を抱くんだろう
って思う事なんだな。と痛感した。
頼まれたことをしに由佳は教室を後にした。
由佳の周りにいた女子達は、
由佳の好きな人は
キャプテンか
菅原さんか
と言い合いながら…
僕はこの間見たスポーツタオルを思い出していた…。